What is your religion?
中学二年生の時 父に頼まれて
学校で先生をしているアメリカ人女性の
観光案内を頼まれました
中学に入って英会話の時間に
スペイン宣教師の
マニュエル・ブルネット神父に
英会話の授業を受けただけ
生まれてから日本人と朝鮮人とスペイン人
としか会話したことが無いのに
英語が話せれば道案内できると
引き受けました
その安請け合いは
大きな間違いであると知ったのは
後述する社会に出てからでした
京都なので案内する寺社はそこら中にあり
彼女との話題は尽きませんでした
金閣寺を下って
ちょうど竜安寺の近くに来た時
What is your religion?
と尋ねられました!
頭はFreeze顔面蒼白
幼稚園は臨済宗
小学校の家庭教師は
臨済宗の僧侶の娘
中学校はClaretian College
家の宗派は????と
頭の中は大混乱
思わずI’m nothing!と
口走って「しまった」と
動転しましたが後の祭りです
ですが 流石にそこは教育者
You are too young!と
機知溢れる返答に救われました
無宗教は誤解を与える
外国人に「あなたの宗教は?」と
問われた時に「何もありません」
と答えるのは
大変な誤解を生む可能性があります
世界の過半数を占める
ユダヤ教 キリスト教 イスラム教は
同じ神と10の戒めを守るとの
契約を神としています
その方達から見ると
信じるべき神仏を持たない人は
神と契約を交わしていない
つまり戒めを持たない無法者と
警戒されるかもしれません
世界の過半数を占める一神教
世界の半数以上が同一の神を信仰する
ユダヤ教 キリスト教 イスラム教は
旧約聖書を聖典として
同一の神を信仰しています
2021年のデーターによると
世界の人口に占めるその割合は以下の通りです
キリスト教
信者数:約23億人
世界人口に占める割合:約31%
イスラム教
信者数:約19億人
世界人口に占める割合:約25%
ユダヤ教
信者数:約1400万人
世界人口に占める割合:約0.2%
合計世界人口の約56%です
その旧約聖書には十戒があります
十戒は神と民との契約です
その内容は
十戒
①あなたは、わたしのほかに
なにものをも神としてはならない
⇒この三宗教は神を同じくしているので
その聖地も同じエルサレムにあります
それが紛争の基になっているのは
皆さんのご存じのとおりです
正に激しい近親憎悪です
②あなたはいかなる偶像も造ってはならない
⇒キリスト教だけがキリスト像やマリア像を
崇めますがそれにはキリスト教としての
理由があります
③あなたは、あなたの神、主の名を
みだりに唱えてはならない
⇒神様にみだりに唱えたり
お願い事をしてはいけない
という意味です
浄土宗では「南無阿弥陀仏」と唱えますが
これは「阿弥陀仏に帰依します」と言う意味で
「阿弥陀様御救い下さい」と
祈っているわけではありません
キリスト教の「ハレルヤ」と似ています
「ハレルヤ」は「神(ヤハウェ)を賛美せよ」と
いう意味で聖書の詩編やゴスペルで
神への賛美と感謝を表現するために
しばしば使用されます
庵主の大好きな曲にも
Hallelujahがあります
Hallelujahを歌詞に含む曲は
五万と在ります
https://youtu.be/I234Q56Ra9w?si=K8itegJP_VkKT_xq
④安息日を覚えて、これを聖とせよ
⇒日曜日を休息の日として休みなさい
敬虔なキリスト教徒は日曜日に
教会に行きます
ちなみに金曜日はキリストが
十字架にかけられた日で
肉食を避けます
ですから金曜日の学食のカレーは
肉抜きで卵がついていました
神父を志す同級生が二人いて
いたずら心にその同級生に
「肉禁止でなぜ卵が出るの?」と
尋ねました
「卵は無精卵だから問題ない!」
う~ん キリスト教の
教義の奥深さの一端を垣間見て
浅はかな質問を恥じ入りました
⑤あなたの父母を敬え
⑥あなたは殺してはならない
⑦あなたは姦淫してはならない
⇒不倫など不貞行為は厳禁です
⑧あなたは盗んではならない
⑨あなたは隣人に対して偽証してはならない
⑩あなたは隣人の家をむさぼってはならない。
⇒一見意味不明ですが
「隣人の家や妻そして財産を
欲しがってはいけない」
と言う意味だそうです
信じる神や仏が無いということは
自分を律する規範を持たない人だと
いぶかしく思われがちです
つまり約束を守らないかもしれない
人の物を盗むかもしれない
場合によっては平気で
人を殺すかもしれない
などと疑われるかもしれません
無宗教を自覚する多くの日本人は
本来神仏に頼らなくても
盗まず約束を守ります
宗教抜きで祖母は
「武士に二言はない」
(口に出したことは必ず守る)と
孫に教えていました
そんな説明をしだすと言い訳に聞こえて
余計にややこしくなりますね
もっと突っ込んで
質問されるかもしれません
どこかの信徒でない一般の日本人は
ほとんどが自分は無宗教だと
思っているでしょうが
大抵 正月には初詣に行って
願いを込めて祈り
仏壇に祈りを捧げ
葬儀には僧侶を読んで
読経をお願いします
江戸時代に遡れば日本人は必ず
どこかのお寺の檀家でしたから
辿ればご自分の家の宗派が分かります
ですから問われれば
その宗派を名乗るのが無難です
あなたが亡くなれば多分どこかの宗派の
僧侶のお世話になるはずですから
ついでにその宗派の事を少しは調べて
仏教の五戒についても知れば
あなたの教養が高まりますし
異文化の人々との相互理解も深まります
仏教の五戒
①不殺生戒(ふせっしょうかい)
⇒生き物を殺してはならない
②不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
⇒他人のものを盗んではならない。
③不邪淫戒(ふじゃいんかい)
⇒不適切な淫らな行為をしてはならない。
④不妄語戒(ふもうごかい)
⇒嘘をついてはならない
⑤不飲酒戒(ふおんじゅかい)
⇒酒を飲んではならない
事件を起こして
「酒を飲んでいたので記憶がない」と
釈明するのは
酒を飲んだ時点で罪です
イスラム教でも飲酒禁止です
十戒と非常によく似ていますね
歴史が変遷しても文化が変わっても
社会を正しく維持するための
最低限の決まりごとは不変です
英語が世界を開くClaretian Collegeの思い出
中学校に入って初めて英語を習いました
小学校で全く勉強する習慣を
身に着けなかったので
一学期早々大変苦労しました
どの教科でも予習復習なしでは
ついて行けなかったのです
特に英語はついて行けなくて
それを見かねた父が夏休みに
橋本先生の下に英語を習いに
行かせてくれました
橋本先生は
当時経大理工学部の学生で
父の教え子でした
習ったことは唯一つ
必ず予習して単語帳を作り
授業前にそれを覚える事
それだけです
そこで単語帳を作り
それに発音記号を振って
ラテン語が語源の場合は
それも記しました
英語の教科書が
栄光学園の教科書で
高校2年で全ての英語の授業を
終える内容だったので
1週間で覚えなければならない
単語は40語から50語
通学の電車とバスの中で
必死に覚えました
おかげで視力が落ちて
揺れるバスの中では
単語帳を見ないことにしました
英語の先生は西山先生で
進駐軍の通訳をなさっていたそうで
「単語は続けて発音するんだぞ」
だけでなく様々な面白い経験談を
聞かせていただきました
予習しているので授業内容は
予習の復習のような物で余裕
西山先生の興味深いお話が
楽しみでした
英会話の授業はスペイン人の
マニュエル・ブルネット神父で
習ったのは唯一つ
今日の授業のLessonを丸暗記して
次の授業で暗唱する事
英会話の教科書は
公立でよく使われていた
Jack and Bettyでした
単語を間違えると
50回の書き取りの宿題
おかげで今でも
b l a c k b o a r dと
つづりを暗唱できます
暗記をできていないと
通学定期券を募集されて6時まで
校庭の草むしり
生徒全員電車通学だったので
定期券が無ければ帰れません
神父様は「7か国語を話せる」
と仰っていて
当時すごい!と仰天しましたが
時が経って言語系統を知ると
ラテン語 スペイン語 フランス語
イタリア語 英語、ドイツ語は
同系統でそれに日本語を足せば
7か国語になるじゃないかと
少しは納得しました
神父様はユーモア溢れる方で
飛行機で隣の日本人に
河内弁で話しかけたら
びっくりしていたと
仰っていました
中学1年でESSに入部し1年先輩に
佐久間直晴さんがいらっしゃいました
当時珍しい帰国子女で
庵主はまだ英語が話せないのに
会話は英語
発音矯正も時間をかけて
教えていただきました
特にsheの発音はできなくて
舌の先がしびれたのを
覚えています
rの発音は何度違うと言われたか
覚えていません
でもおかげで中学2年で
英検2級に合格し
中学三年で英検一級に
落ちたけど
大阪府の英語弁論大会で
3位に入賞しました
そして中学卒業の際に
ブルネット神父に
ご挨拶に伺ったら
「あなたはどこへ行っても
英語で生活できます」
と言われました
そこで自分の英語は
どこへ行っても通用すると鼻高々!
すぐに天狗になるのが
庵主の悪い所です
欠点であり能天気な性格です
そんな英語あるの?
ところが社会人になり
ある時会議の途中で
突然オーストラリア人の通訳を
指名されました
しかし全く聞き取れません?
簡単なことを言っているはずなのに
何かおかしい!
後日オーストラリア独特の
英語があることを知りました
分かりやすい例で言うと
How many students are there today
in your school?
これが
how many students are there to die?
と聞こえます 一瞬うろたえます
そして固まります
eiをaiと発音するなんて
辞書に載ってなかったよ!
簡単な会話でも
突然意味不明な言葉につまずくと
後の会話が理解できなくなります
その後 イギリスの
バーミンガムへ行く機会がありました
発音と綴りが米語と
少し違うことがあるのは
知っていましたから
ロンドンに着いても
困ることはありませんでした
それからバーミンガムへ向かい何度か
展示場と駐車場の出入りを繰り返しました
その際 駐車場の係員から
I saw your “ふぁいせす” と
言われました??
えつ何を言ってるの?
とまた固まりました
駐車場を後にしてよく考えると
あの時のオーストラリア人と
一緒だと気付きました
それからロンドンに戻って
下町を歩くと同じような発音を耳にして
ハタと思い当たりました
オーストラリアは元々
イギリスの流刑の地です
罪人の多くは下町の育ちで
その言葉がオーストラリアに
根付いたのでしょう
そこの所は有名なとても美しい
旋律の曲に謳われています
耳を澄ますと情景が浮かび目が潤みます
https://youtu.be/KrLTe1_9zso?si=MhHxeHi72iIh2Q_c
神父様に教わったCountry Songs
話を戻すとESSの顧問は
お名前を忘れましたが
スペインの神父様で
神父会館で
アメリカのフォークソングを
よく聞かせて下さいました
その時”High noon”が
好きだと仰っていました
スペイン人の神父様が
何故西部開拓時代の
決闘の歌がお好きだったのか
とても印象に残っています
映画の主題歌でした
https://youtu.be/A4a_1UhwgFU?si=Ydsf1-1x63JNH4F4
そこからラジオで
フォークソングやカントリーを
楽しむようになりました
まだカセットテープが無い時代でしたので
オープンリールのテープに録音し
何度も繰り返して
歌詞を聞き取りました
今ではネットで歌詞を検索できるので
ずいぶん楽になりました
下品な歌に注意
当時革新的に聞こえた
ハーマンズハーミッツの
ヘンリー八世君を真似して
意味も分からず謳っていたら
佐久間さんに「下品だからやめろ」と
と注意されたのを思い出します
これまで歌を注意されたのは二度だけ
4,5歳の時
母の実家で祖父の蓄音機で
歌謡曲を聴きまくり
帰りの夜道で「お富さん」を
謳ったら「やめなさい」と
注意されました
祖父のレコードを聴いて
謳って何が悪いのか
子供心に訳が分かりませんでした
二か国語を話せたら給与が倍になる?
校長のホセ・ガルデアノ神父は
いろんなお話を
してくださいました
毎週神父様の法話(日本語)があり
その話し方に心を打たれ
いつかは庵主も
そのようにたくさんの人の前で
堂々と話ができるようになりたいと
思いました
その話の一つが
「これからの時代は
二か国語を話せれば給与が二倍になる
三か国語を話せれば給与が三倍になる」でした
そんな訳で英語の世界に
どっぷり漬かった中高時代でしたが
社会に出てみると
そんな事はありませんでした
英語が話せても給料は同じ
ただ出張手当はたくさんいただきました
入社して1年半なのに1年の内半年は
東南アジア諸国に滞在し
仕事をする生活になりました
英語が経験と人生を豊かにする
1970年当時の東南アジアは
どの国も政情不安定で
特にインドネシアは
いつ革命が起こるかわからない毎日で
夜ヘリコプターの音がすると
飛び起きてホテルの窓のから
カーテン越しに外の様子を伺いました
一方 どの国でも
外国人が安全に泊まれるホテルは
限られていて
今では超一流と言われるホテルに
長逗留しました
毎日車でホテルまで送り向かいがあり
仕事後ホテルで夕食を済ませて
夜プールに降りて南十字星を眺めながら
新入社員がこんな生活をしていて
良いのかなと思う毎日でした
車の送り迎え無しで外を出歩くのは
外国人にとってとても危険な時代でした
インドネシアでは現地の社長の長男が
庵主を接待するとの名目で
自分が遊びたくて
仕事が終わると
毎晩ナイトクラブで
食事後ダンス三昧
数日なら我慢できるのですが
連日連夜3時までナイトクラブ
こちらは朝9時から仕事なので
たまりません
ナイトクラブの行き帰りは
とても危険で女性たちを乗せたバスは
拳銃を持ったガードマンが
警護していました
ある夜その長男が
「今日はナイトクラブで喧嘩しても大丈夫」と
自慢げに拳銃を見せてくれました
フィリピンのダバオに行ったときは
多くの人が拳銃を持っていました
シンガポールと台湾を除き
どの国も首都を離れると
じめじめしたシラミが出そうなホテルで
いつ騒乱が起きるかわからない
危険と背中合わせでした
ダバオで会った若者にTaglishで
「俺はお前より英語がうまい」と
自慢されました
彼も私と同じで
自分の学んだ英語が唯一の英語だと
思っていたのでしょう
それからオランダで暮らしたり
アメリカに行ったり
給料は増えませんでしたが
英語のおかげで
一般の社員では経験できない
かけがえのない貴重な体験をしました
そんな機会を拓いて下さった
Claretian Collegeで過ごした6年間に
神父様に 佐久間直晴さんに 先生方に
感謝が尽きません
語学は継続が命
話はまだ続いて
それから30年ほどして
東京女子大学の英文科を卒業したという
女性に会いました
大学時代に英検1級をとったそうで
それを聴いて無謀にも
持ち前の天狗の鼻がむずむずしてきました
中学三年英検1級落としたのと
大学英検1級とどちらが上かと!
そこでどちらが英単語を多く知っているか
競って勝ちました!
それから時は流れ
60過ぎてから彼女は再び英検1級を
取ったそうです
庵主の鼻はへし折れ
英語はもうとてもとても
及びません
過ぎたるは及ばざるがごとしではなく
過ぎたるは忘れること多し
されど継続は力なりです
語学で世界への扉を開けよう
若い方は是非外国語の勉強をお勧めします
とりわけ英語は
プログラミング言語も英語です
その場限りの
グーグル翻訳を使て
意志を通じ合えても
異文化は学べません
現地で長い時間過ごさないと
相互理解が深まりません
英語と漢文ができれば
世界のどこへ行っても
まず通じます
台湾では3か月で
新聞が大体読めるようになりました
発音が似ているインドネシアでは
約3か月で大体言っていることが
理解できるようになりました
庵主はもはや
知らない世界に行って見よう
という気持ちが起こりません
心の中で
「世界の主だったものは見た
あとは日本をもっと知ろう」と
言い訳しています
未知の世界に勇気を出して
飛び出せるのは
若い内だけです
日本を飛び出して
世界を見てください
体験してください
そして異民族異文化の人々と
相互理解を深めてください
飛び出す前にその土地の
事情を必ず調べましょう
例えば東南アジアで
女性と握手する際は
ほんの軽くが決まり
絶対ぎゅっと握っては
いけません
似た発音で全く違う意味を持つ言葉も
世界に多くあります
インドネシアの田舎で老人にmangkuk merahと
声をかけられました
merahは「赤」と知っていたので
ぎょっとしてなんて失礼なと思いました
あとでmangkukは「お椀」だと知りました
その方は庵主を見て日本人に違いないと
親しみを込めてmangkuk merah
つまり「味の素」とおっしゃたのです
異文化では些細なことで
とんでもない勘違いが起こります
インターネットの時代ですから
事前調査は怠らずにお願いします